対話力

 ほんの冗談でいった話が、まことしやかに尾鰭がついて広がる、そんな困った経験をしたことがありませんか?

 世の中とはなかなか難しいものです。

 人間とは、人と人の間と書きます。人はそれぞれの思いや考えを持って生きています。でもそれぞれ思いや考えを持って生きています。でもその思いや考えは、相手の人には見えません。その人と人の間を埋めるのが、言葉や文字、表情や行為・行動です。それによって人は相手に自分の思いや心を伝えるのです。

 したがって人の世に生きている限り、この人と人の間を上手に埋める力を身につける必要があります。その能力の一つが「対話力」であり、人間関係の要と言われています。

 世間には、頭も良く、仕事も良くできる。でも、アイツは駄目、と嫌われる人がいるものです。その理由はというと、挨拶ができない、言葉遣いが悪い、話をする時の態度や表情が悪い、いつも文句ばかりいう。そのために職場や社会からつまはじきにされる。
世の中って難しいものです。正しいから、間違っていないからいいかというと、そうではないのです。言い方や話す態度で、反対の評価をされてしまう、それが世の中なのです。

 それだけ大事なのが「対話力」です。

 お釈迦さまは「無財の七施」という教えを説かれました。無財ですから、お金のいらない七つのお布施という意味です。その中の「和顔施と愛語施」の二つは、特に大切な大きなお布施であると説かれました。
和顔とは微笑みのこと、愛語とは優しい言葉のこと。微笑みと優しい言葉を相手に与える。たったこれだけのことが、考えてみると、目を怒らせ、口角泡を飛ばして相手を攻めることより、より相手を納得させる方法なのです。

 難しい対人関係。それを円滑にできる人が人生の達人、つまり仏さまなのです。和顔・愛語を大切にしたいものです。

(平成18年8月16〜31日 テレホン説教)

 

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