活用性発達

 人間の体とは実に不思議です骨折を治すためにギプスで固定していると、やがて骨は元通りにくっつくのですが、固定したことでその周辺の筋肉が衰えてしまい、それを回復するためのリハビリが必要になる、といいます。

 一ヶ月以上無重力状態の宇宙に滞在した宇宙飛行士が地球に戻ると、歩くことと呼吸が困難になるそうです。無重力の宇宙では、歩いたり体を支えるために足の筋肉をあまり使わなく、そのために足の筋肉が衰えて、地球に帰ると歩くのが難しくなるのだそうです。また宇宙船では、酸素のたっぷり入った空気が送られているため、肺の筋肉が衰えてしまい、そのため地球に帰ると呼吸をするのが苦しくなるのだそうです。

 使わないと衰える、それが人間の体の法則で、それを「廃用性萎縮の法則」というそうです。廃用性の廃とは、廃棄処分の廃で、使わないという意味です。体はもちろん、脳細胞も使わないと衰える、それが廃用性萎縮の法則なのです。

 反対に、人間の体は出来るだけ使うと、どんどん発達するといいます。身長・体重・体力、どれも私たちとたいして違わないのに、練習や訓練によってその能力を発達させたのがスポーツ選手です。そんな力を「活用性発達の法則」といいます。

 廃用性萎縮も活用性発達も、共に私たちの体を持つ、二つの不思議な法則です。そのどちらで生きるかによって、病気と健康、老化と若さといったことが生じるのです。

 もう・どうせ・いまさらというマイナス思考を否定し、より・さらに・もっと仏さまにという、プラス思考の生き方を説いた法華経。活用性発達の法則とは、なにも体の法則だけではなく、仏を目指して生きることが人の道と説く法華経の教えを裏付ける、人間の生き方の法則でもあるのです。

 人との出会いを嫌い、部屋に閉じ籠もり、テレビの前でゴロゴロダラダラしている粗大ゴミのような亭主族は、まさにボケの予備軍なのです。流れる水は凍らないといいます。考えてみると「今身より仏身にいたるまで良くたもち奉る」と祈る私たちの信仰は、実は最高のボケ予防法なのです。

(平成19年1月16〜31日 テレホン説教)

 

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