非難

 世の中とは実に難しいものです。一方に誉めてくれる人がいるかと思うと、もう一方には貶したり足を引っ張ったりする人が必ずいるものです。「世の中は、味方半分に敵半分」と言われるのもそのためでしょう。

 人間、十人十色。その十人十色の人間が集まっているのが世の中。味方半分に敵半分。みんなに誉めて貰おうなどと、最初から思わないことです。

 職場やグループという世の中で生きている私たち。当然そこには敵もいれば味方もいます。自分なりに一所懸命仕事をし、上司や仲間との人間関係でも、依怙贔屓なく努力しているつもりなのに、時には、身に覚えのない、あらぬ中傷や非難や陰口で苦しめられるということがあるものです。

 今から二千五百年前、お釈迦さまも、罵りや中傷非難を受けました。お釈迦さまほどの人でも、です。ではその中傷非難に、どう対処をされたのでしょうか。

 反論も弁解も、言い返すこともせず、お釈迦さまは平然としてただ沈黙されたのです。

 人に贈り物をした時、それを相手が受け取らなかったら、その贈り物はどこにいくか。受け取り手のない贈物は贈り主に帰る。同様に、私に対する罵りや理由のない中傷非難を、私が受け取らなかったら、それは誰のものになるだろうか。罵った人にその罵りは返っていく、と教えられたのです。

 自分にたいする非難や中傷が正しいものであったら、謙虚に耳を傾け、自分の過ちを正すことです。しかし、身に覚えのない中傷非難は、気にせず、反論せず、一切受け取らない。それがお釈迦さまの対処法です。

 人と人の世の中に生きている私たち。職場やグループで、身に覚えのない中傷や非難に傷ついている方は、お釈迦さまの対処法をぜひ参考にしてみて下さい。

(平成19年4月16〜30日 テレホン説教)

 

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